台湾でゲストシフト・客座イベントをするには?バーテンダー・シェフの就労許可、税金、酒と食材(2026)
海外のバーテンダーやシェフが台湾で1晩ゲストシフトをするだけでも「就労」です。個人なら受け入れ店が許可を申請し、所属の海外バーから会社間契約で派遣され30日以内なら入国ビザが許可とみなされます。
海外のバーテンダーやシェフが台湾の店で有料の客にサービスする場合、1晩でも原則「就労」となり、就労の許可が必要です(就業服務法第43条)。個人の請負なら受け入れ店が申請し、海外の会社から派遣され30日以内に契約を履行する場合は入国ビザが許可とみなされます(第51条第3項、許可及管理辦法第5条)。違反すると店は15万〜75万台湾ドル、本人は3万〜15万台湾ドルの過料と出国命令、以後の台湾での就労禁止です。バーテンダー業務は2025年1月から申請可能になりました。台湾の店が支払う報酬は18%(給与)または20%(執行業務)で源泉徴収され、手荷物の酒は自用に限られ、肉製品は原則として持ち込めません。一般的な情報であり、法律助言ではありません。
- 1晩でも就労?
- 原則として就労、許可が必要(就業服務法第43条)
- 30日以下で申請不要
- 海外法人からの派遣による契約履行、政府機関・大学・在台外国機関の招待など
- 過料
- 店 15万〜75万台湾ドル/本人 3万〜15万台湾ドル+出国命令・再就労不可
- バーテンダー解禁
- 2025年1月24日(勞動發管字第1140500961B號)
- 非居住者の源泉徴収
- 給与18%(最低賃金1.5倍以内6%)、執行業務20%
- 手荷物の酒
- 1.5L免税・5L上限、営業使用不可
海外のバーテンダーやシェフが台湾でゲストシフトや客座ディナーを行う場合、たとえ1晩でも、台湾の店で有料の客にお酒や料理を出すなら原則として「就労」とみなされます。就労の許可が必要で、ビザ免除や観光での入国のまま働くことはできません。ルートは2つです。個人として請け負う場合は招待する店が労働部に許可を申請します。所属する海外のバーが会社として台湾の店と契約し、社員を派遣して履行する場合は、滞在30日以内なら入国ビザが就労許可とみなされ、別途の申請は不要です。2025年1月からはバーテンダー業務が申請可能な専門・技術職に指定され、ルートが明確になりました。許可のほかに準備すべきことは3つです。報酬の源泉徴収、酒と食材を合法に持ち込む方法、そして告知の書き方です。
本記事は一般的な情報の整理であり、法律・税務・入管に関する助言ではありません。規定は台湾労働部労働力発展署、財政部税務ポータル、関務署の公表内容と全国法規データベースの条文に従います。短期・単発のゲストシフトの扱いは、労働力発展署または専門家に必ず確認してください。最終更新:2026年9月。
1晩だけでも「就労」になる?
台湾の就業服務法第43条は、雇用主が申請した許可なしに外国人が台湾で働くことを禁じています。「何日以下なら不要」という基準はありません。判断のポイントは、営業中の店で労務を提供しているかどうかです。チケット制の客座ディナーも、バーカウンターに立って客にお酒を出す夜も、どちらも営業にあたります。
違反すると双方が罰せられます。許可のない外国人を使った店は、第57条・第63条により15万〜75万台湾ドルの過料です。外国人本人は第68条により3万〜15万台湾ドルの過料を受け、出国を命じられ、以後台湾で働くことができなくなります。
入国ビザ自体が許可とみなされるケース
「雇主聘僱外國人許可及管理辦法」第5条は、滞在30日以下で入国ビザが就労許可とみなされる4つのケースを定めています。商業的なゲストシフトで最も使えるのは第1号、海外の会社(法人)が台湾の店と請負・技術協力などの契約を結び、自社の社員を派遣して履行する場合です(就業服務法第51条第3項、「履約人員」)。業務は契約の範囲内で、専門・技術職(バーテンダーは2025年に指定済み)である必要があります。31〜90日は台湾の店が入国後30日以内に申請し、90日を超える場合は専門職の要件を満たす必要があります。個人で請け負うフリーランスには適用されず、会社間の実体ある契約であることが前提で、判断は労働部が行います。そのほか、次の2つのケースもあります。政府機関や大学から招かれた著名な専門家が講演・技術指導を行う場合、そして政府機関・各国の在台公館・在台外国機関に招かれて非営利のイベントを行う場合です。大学主催のマスタークラスや、在台代表処主催の無料プロモーションは該当する可能性があります。一方、バーやレストランが自ら企画しチケットやお酒を売るゲストシフトは、通常この例外に入りません。最終的な判断は労働部が行います。
バーテンダー:2025年から正式な申請ルート
労働部は2025年1月24日付の書簡(勞動發管字第1140500961B號)で、バーテンダー業務を就業服務法第46条第1項第1号の専門・技術職に指定しました。工商時報の報道によると、来台したバーテンダーが客にカクテルを提供して通報され、処罰された例が背景にあります。
- 業務内容:アルコール・ノンアルコールカクテルの調製、技術指導と人材育成、ドリンクリスト設計とフードペアリング、バー運営のコンサルティング、接客と体験設計。
- 本人の要件(いずれか1つ):バーやレストランでのバーテンダー経験2年以上。国際的な個人カクテル大会での受賞歴。または国際的な受賞歴のあるバー・レストランでバーテンダーかバーチーフとして1年以上の経験。
- 受け入れ店:ホテル、レストラン、バーの営業登記が必要です。
- 報酬の基準(通常の申請の場合):「給与または報酬」が労働部の公告額(報道では月額47,971台湾ドル)を下回ってはいけません。報酬も含むため、正社員でなく契約であっても対象外にはなりません。2晩分の報酬の当てはめ方は条文にないので、申請前に労働力発展署へ確認してください。履約ルートで30日以内なら申請自体が不要です。
現行の規定には、短期・単発のゲスト出演向けの簡易手続きはまだありません。合法に実施はできますが、想像以上に準備期間が必要です。
シェフ:まず申請区分を確認
「ゲストシェフ」という独立した区分はありません。よく使われるのは観光分野の「國內所缺乏的餐飲烹調技術(国内で不足している調理技術)」の区分か、労働部が指定するその他の専門技術職です。区分ごとに要件が違うため、受け入れ店が申請前に労働力発展署へ確認しましょう。
スケジュール
- 要件の確認:経歴や受賞の証明、パスポートを揃えます。
- 受け入れ店がオンラインで就労許可を申請します(履約ルートで30日以内なら不要。ただし会社間の契約を先に結んでおきます)。
- 許可書をもとに、台湾の在外公館で適切なビザを申請します。
- 入国して出演します。許可に書かれた期間と場所の範囲内で行ってください。
少なくとも2か月は見込んでおきましょう。また、許可が下りるまでは公に告知したりチケットを販売したりしないことをおすすめします。許可が遅れたり下りなかったりすると、販売済みのチケットをすべて払い戻すことになります。
報酬と源泉徴収:誰が払うかで変わる
- 台湾の店が支払う場合:台湾源泉所得となり、店は支払時に源泉徴収して10日以内に納付・申告します(所得税法第92条)。各類所得扣繳率標準により、給与は18%です(その月の支払額が最低賃金の1.5倍=2026年は44,250台湾ドル以内なら6%)。執行業務報酬の場合は20%です。
- 海外の所属店・会社が支払う場合:その年の台湾滞在が合計90日以下なら、台湾源泉所得になりません(所得税法第8条第3号ただし書)。ただし、実質的に台湾の店が費用を負担している場合は適用されません。海外払いで変わるのは税金だけで、就労許可は受け入れ店が申請する必要があります。
報酬が源泉徴収前の額か後の額かは、事前に取り決めておきましょう。
お酒と食材:手荷物は「自用」
- 18歳以上の旅客は、酒類1.5リットルまで免税(2025年1月25日から)、合計5リットルまで課税の上で持ち込めます。それを超えると酒類輸入業の許可が必要です。
- 手荷物のお酒は自用として入国します。有料の客に出すのは自用ではありません。特別なボトルは、台湾の輸入業者を通じて受け入れ店に調達してもらいましょう。
- 肉製品を申告せずに持ち込むと、動物伝染病防治条例第45条の1により1万〜100万台湾ドルの過料です。アフリカ豚熱発生地域の豚肉製品は、初回でも20万台湾ドルです。
当日の食品衛生と告知
- 受け入れ店が一般的な飲食店の場合、調理従事者の50%が台湾の調理技術士証を持つ必要があります(調理の規定で、バーテンダー業務は対象外)。ゲストシェフは通常この証を持たないため、厨房の人数が増える分、比率を計算し直してください。
- ミシュランの星はレストランに与えられるもので、個人ではありません。「ミシュランシェフ」ではなく「ミシュラン一つ星○○の元スーシェフ」のように正確に書きましょう。誤解を招く宣伝は公平交易法第21条に触れるおそれがあります。
- お酒の広告や販促(SNS投稿を含む)には、「禁止酒駕」と「飲酒過量,有害健康」などの警告表示が必要です(菸酒管理法第37条)。
受け入れ店と事前に決めること
- 報酬額、通貨、支払日、源泉徴収の負担。
- 履約ルートか通常申請か、許可書類の準備担当、許可が下りなかった場合の中止・返金。
- 航空券、宿泊、移動、通訳。
- 酒・食材の調達と費用負担。
- 食品衛生の責任、保険、当日の役割分担。
- 名前・ロゴ・写真の使用範囲と、イベント後にメニューを残すかどうか。
条件がまとまったら、Eatsy の客座契約チェックで、精算までの日数、違約金、損害と引き渡し、キャンセル条件などが一方に偏っていないかを条項ごとに確認し、より公平な文案をコピーできます。法律助言ではありません。
コラボの進め方は「料理開発と客座シェフの組み方」、台湾の店同士の客座は「台湾の店同士で客座をするときの注意点」をご覧ください。
繰り返しになりますが、本記事は一般的な情報であり、法律・税務の助言ではありません。Eatsy は就労許可の代行や法律サービスは行っていません。
次のステップ
Eatsy は台湾の独立系レストランやバー向けのサービスです。パートナープログラムでは、ゲストシェフやバーテンダーと店舗のマッチングのほか、中英日のイベント通訳、ワイン・酒類の輸入パートナーもご紹介しています。現在、店舗向けのマッチングと相談は無料で、契約の縛りもありません。要件や費用、役割分担はご自身でも確認してください。
よくある質問
▸台湾で1晩だけのゲストシフトでも就労許可は必要?
就労の許可は必要ですが、別途申請が要るとは限りません。日数の基準はなく、個人で請け負う場合は受け入れ店が申請します。海外の所属バーが会社として台湾の店と契約し、社員を派遣して履行する場合、滞在30日以内なら入国ビザが許可とみなされます(就業服務法第51条第3項、許可及管理辦法第5条)。
▸契約で行くので正社員ではありません。月額の基準は関係ありますか?
ルート次第です。通常の申請では基準は給与または報酬に適用されるため、契約報酬も対象です。海外の会社から派遣されて30日以内の履約なら申請不要なので、基準の審査もありません。
▸外国人バーテンダーは台湾で働ける?
働けます。2025年1月24日からバーテンダー業務が専門・技術職に指定されました。経験2年以上、国際的な個人大会での受賞、受賞歴のあるバー・レストランでの1年以上の経験のいずれかが必要で、受け入れ店はホテル・レストラン・バーの営業登記が必要です。
▸ゲスト報酬の源泉徴収率は?
台湾の店が非居住者に支払う場合、給与は18%(最低賃金の1.5倍以内なら6%)、執行業務報酬は20%です。台湾の店が海外のバーや会社に支払う場合も原則として源泉徴収の対象です(一般に20%、租税条約で軽減される場合あり)。海外の雇用主が自ら負担し、年間の台湾滞在が90日以下の場合のみ、台湾源泉所得になりません。
▸Eatsy とは?
Eatsy は台湾の独立系レストラン向けの従量課金制の予約・運営ツールで、7日間無料・契約の縛りなしで試せます。パートナープログラムでゲストシェフ、バーテンダー、通訳、輸入パートナーを紹介していますが、就労許可の代行や法律助言は行いません。