飲食店の残業代はこう計算すれば罰せられない:平日/休息日/法定休日
残業代は台湾の労働基準法で最も間違えやすい部分です。平日、休息日、法定休日それぞれに計算式があり、どこか一段でも少なく払えば指摘されます。本記事は一覧表と計算例で、飲食店の残業代をどう計算すれば罰せられないかを解説します。無料の残業代計算ツール付き。
「残業代の未払い」は飲食店の労働検査で最も多い指摘のひとつ
飲食業の労働検査で、残業代の払い不足は最も多い指摘理由のひとつです(過年度の労働検査通報による)。労働基準法第79条により罰金は小さくなく、より現実的なのは、残業代の計算ミスは単一の事案にとどまらず、従業員全員・全期間がまとめて確認されることです。
まず「一例一休」:法定休日(例假)と休息日の違い
労働基準法は、7日ごとに法定休日(例假)1日+休息日1日を求めます。両者は法的地位がまったく異なります:
- 法定休日(例假):原則として就労させてはならず、天災・事変・突発事件の場合のみ出勤を求められ、その場合は賃金倍額+事後の代休が必要です。これがレッドラインです。
- 休息日:労働者の同意があれば就労できますが、休息日の残業代(平日の残業より高い)を払う必要があります。
シフトで最も多い違法は、法定休日を自由に動かせる「休暇」のように扱って従業員を呼び出すことです。4週間単位の変形労働時間制を採用している場合、法定休日と休息日の配置ルールは異なります。〈4週間単位の変形労働時間制:飲食店のシフトを労働検査で罰せられないように組む〉を参照してください。
残業代の段階を、まず一覧表で
下の表でまず全体像をつかみ、後で各段を説明・例示します:
| 就労の種類 | 残業代(1時間あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 平日残業・最初の2時間 | 時給 ×1⅓(3分の1以上の加給) | 通常8時間の後から起算 |
| 平日残業・3時間目以降 | 時給 ×1⅔(3分の2以上の加給) | — |
| 休息日・最初の2時間 | さらに1と3分の1以上を加給(時給制は時給 ×4/3) | 出勤した時点から起算 |
| 休息日・3時間目以降 | さらに1と3分の2以上を加給(時給制は時給 ×5/3) | 月の残業上限に算入 |
| 法定休日(例假)出勤 | 当日賃金を倍額支給 | 天災/事変/突発に限る、事後に代休 |
| 国定休日出勤 | 1日分の賃金を追加(=倍額) | 労働基準法第39条 |
平日残業:最初の2時間 ×1⅓、3時間目以降 ×1⅔
平日(通常の労働日)に通常の8時間を超える延長労働は、労働基準法第24条により:
- 最初の2時間:時給の3分の1以上を加給(=×1⅓)。
- それ以降:3分の2以上を加給(×1⅔)。
例:時給200元の従業員が3時間残業 → 最初の2時間 200×(4/3)×2 ≈ 533、3時間目 200×(5/3)×1 ≈ 333、合計約866元。「以上」に注意:1⅓・1⅔は法定の下限で、ちょうど、あるいは切り下げて払うと未払いとみなされ得ます。
休息日の就労:1時間目から残業
休息日は平日と異なり――出勤した時点で残業であり、先に8時間働く必要はありません。2018年の改正後は実働時間で計算し、加給は第24条により最初の2時間「さらに1と3分の1以上」、3時間目以降「さらに1と3分の2以上」です。ただし時給制と月給制で算定が異なります:
- 時給制:休息日当日の支給賃金=時給 ×4/3(最初の2時間)・×5/3(3時間目以降)。例:時給200元・3時間 → 200×(4/3)×2 + 200×(5/3)×1 ≈ 533+333 = 約867元(台北市労働局の時給制の算定例)。
- 月給制:月給に当日の基本給が含まれるため、雇用主は月給に上乗せでこの加給を支払います(最初の2時間1と3分の1、3時間目以降1と3分の2。第9〜12時間はさらに高い加給)。
休息日の労働時間も月の延長労働上限(下記)に算入します。実際の金額は時給制/月給制で異なるため、下の残業代計算ツールで個別に試算できます。
法定休日と国定休日:倍額支給
- 法定休日(例假)出勤(天災・事変・突発に限る):当日賃金を倍額支給し、事後に代休。
- 国定休日出勤:1日分の賃金を追加(倍額に相当)。
なお罰せられる2つの隠れた落とし穴
- 月の延長労働が46時間超:平日残業と休息日の労働時間はいずれも算入され、月上限は46時間(労働組合または労使会議の同意で緩和できるが、3か月ごとの総量制限がある)。繁忙期には気づかぬうちに超えやすい。
- 時給換算の基数の誤り:月給制従業員の「平日1時間あたり賃金額」=月給 ÷ 30 ÷ 8(=月給 ÷ 240)。基数を誤れば残業代がすべて狂います。
正しく計算し、証拠も残すには
上の計算式を実際の数字に当てはめるには、無料の残業代計算ツールを使ってください。時給または月給と残業時間を入力すれば、平日/休息日/国定休日の各段を自動で試算します(倍率は給与制度に合わせて調整可能)。まずある日の労働時間が残業の境目を超えるか確認したいなら、労働時間計算ツールを。
ただし残業代を正しく計算する前提は、労働時間のデータ自体が正確で、残っていることです。検査が実際に突き合わせるのは、出勤記録・シフト表・給与明細の三者の一致です。店全体の出勤を「日ごと・監査可能・改ざんできない」記録にするには、Eatsy 従業員打刻(現在無料)が、従業員のGPS打刻で毎日の出退勤時刻を記録し、労働時間を自動集計して(Excel)出力できるレポートにします。これは残業代を判断・計算してはくれません――それは給与制度と労働基準法に合わせる必要があります――が、「従業員が何時に出勤し、何時に退勤したか」という最も重要な原始証拠を残します。Eatsyは独立系飲食店のために作られた運営システムで、従業員打刻はその一部です。
*本記事は一般的な整理であり法的助言ではありません。個別の判断は労働部および各地方労働局の解釈に従い、実際の残業代は労働契約と最新の法令に基づき計算してください。
よくある質問
▸休息日の残業代はどう計算しますか?
休息日は出勤した時点で残業、実働時間で計算し、平日より高い倍率です:最初の2時間は時給にさらに1と3分の1以上、3時間目以降はさらに1と3分の2以上を加給(1時間あたり合計で約 ×2⅓・×2⅔)。これらの時間も月の延長労働上限に算入します。
▸法定休日(例假)に従業員を働かせられますか?
原則として不可。法定休日は天災・事変・突発事件の場合のみ出勤を求められ、その場合は賃金倍額+事後の代休が必要です。通常の休暇のように扱って呼び出すのは違法です。
▸残業代の時給はどう換算しますか?
月給制従業員の平日1時間あたり賃金額=月給 ÷ 30 ÷ 8(=月給 ÷ 240)。これに該当する割増倍率を掛けます。
▸月の残業に上限はありますか?
あります。月の延長労働上限は46時間(労働組合または労使会議の同意で緩和できるが、3か月ごとの総量制限がある)。平日残業と休息日の労働時間がいずれも算入されます。
▸「3分の1以上」とはどういう意味ですか?
1⅓・1⅔は法定の下限で、「以上」はそれより高く払ってよいが低くしてはならないという意味です。ちょうど、あるいは切り下げて払うと残業代の未払いとみなされ得ます。
▸残業代は代休に振り替えられますか?
可能ですが、労働者自身が選択し雇用主が同意する場合に限り、代休の時数は労働時間と1対1で換算します(割増倍率での換算ではありません)。労働者が残業代の受領を選んだ場合、雇用主が一方的に代休へ変更することはできません。